※2018年の台風災害により大規模改修されています
79)元旦宗谷岬ツーリング2009_5-17)
おまけ「日勝峠(にっしょうとうげ)」
 2009年1月初旬の国道274号線 通称日勝峠の様子です。

 日勝峠は、札幌、千歳、苫小牧方面から帯広方面を繋ぐ最短ルートです。そのため基本的に交通量が多く、昼夜共に物流の大型トラックの往来が激しい特徴があります。

 また、トンネルや覆道が多く、きついカーブも多々あり、道路の勾配もきつく、吹雪除けのスノーシェルターも設置されています。日勝峠の中上部沿線に人の居住は無く、歩道は完全にありません。この道路は歩行者や自転車が通行する事を想定して作られていません。車両によって速度差が大きいので数箇所の登坂車線が作られています。

 冬季間の路面はタイヤが通る部分以外は積雪状態や凍結状態である事が多く、特にトンネルや覆道、橋梁等では路肩や路側が全く無い部分も多々あります。 実際マイナス10度以下でも路面が濡れて解けている事を見ると融雪剤の散布量は相当なものと思われます。

 気候的にも夏は濃霧が出やすく、冬は吹雪きになりやすい特徴があります。そんな事からバイクツーリングには向かない峠です。特に交通の流れに乗れない小さなバイクで通るのは怖い事だと思います。冬は融雪剤交じりの泥水を頭からたっぷり浴びせられて全身泥人形状態にされてしまうでしょう(笑)

 もし危険な場面に遭遇しても逃げ場が無い事などから北海道内でも重大事故が多い交通の難所になっています。

 写真は、よく晴れた日に日勝峠を帯広側から自動車で通行しながら撮影したものです。
1合目付近の登坂車線を十勝側から峠に向かって走っている写真
1)
峠頂上付近のスノーシェルター入り口の写真
2)
日勝峠の橋梁の写真
3)
見通しの悪いカーブの写真
4)
日高側の覆道入り口の写真
5)
幅の狭い覆道内を大型トラックが行き交っている写真
6)
幅が狭い道路を行き交う大型トラックの写真
7)
雪が吹き込んでいるトンネル内部の写真
8)
覆道入り口の路肩に雪が押し固められていて道幅が狭くなっている写真
9)
覆道の中に雪が吹き込んで路肩を狭くしている様子の写真
10)
大型車のトレッド幅きっちりしか道幅が無い状態の道路の写真
11)
路肩の雪で幅が狭くなっているトンネル入り口の写真
12)
 下の三枚の写真は、この時遭遇した場面です。
カーブの途中で追い越しをかけている大型トラックの写真
A)
カーブにさしかかる所から追い越しをかけていくトラックの写真
B)
漫然と追い越し割り込みを続けていくトラックの写真
C)
 これは274号線で追い越しをしている大型トラックの写真です。このトラックは前車に追いつくたびに車間距離をギリギリまで詰めて、俗に言う「あおり行為」を繰り返した後、見通しの利かないカーブの途中にもかかわらずに、次々と対向車線に出て追越をかけていきました。もし対向車が来たら、対向車のほうが驚いて急ブレーキを掛けて衝突を回避する事がわかった上での確信犯的な運転です。抜かれている車両もこの道路ではよくある事と解っているのか特段さわぐこともありません。いい事ではありませんが、ある意味暗黙の認識が存在していて、それに沿って交通は流れています。

 時速60〜70km程度で流れている車列に対して、追い越すトラックは時速80km+程度の遅い速度差で漫然と追い越しをかけていきました。この路線は交通量が多いので何台抜いても切りがありません。多少の台数を抜いたとしても、到着時刻にさほどの違いは無いように思います。

 無理な追い越しをしている大型トラックにも、先を急ぐ何らかの事情があるのかもしれませんが、たとえばもし対向車が、レンタカーに乗った観光客とかで、ちょっと手元の地図を見てたり、カーステレオを操作してよそ見をしていた瞬間だったりと、悪いタイミングが重なれば、即重大事故につながるリスクの高い追い越しです。

 事故が起こってしまえば、相手が悪いとか自分は正しいとか主張しても後処理が変わる事はあっても、事故のダメージは変わりません。もしバイクで走行中にそんな事故に巻き込まれたらどうなるか、自分が正しかったと主張できない状態になってしまう可能性もあります。

 そんな事もあってここはあまり使わないルートです。まして冬にバイクで通る事はありません。
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