39)バイクに乗って旅に出た2004夏その一
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その一/その二/その三/その四
2004/8/10
たまに四国の山中に行きたくなるのですが、今回はさらに南に行ってみました。
フェリー甲板上の救命ボートのクレーンアームの風景
1)
 小樽〜舞鶴間のフェリーは従来約30時間の船旅でしたが、新造船が04年7月より導入されて20時間の航海に短縮されました。以前は3隻のフェリーで航路を結んでいたのもが、2隻で足りるようになり大幅にコスト削減が出来ているという事のようですが、船旅を楽しむ立場としては残念です。
フェリーの甲板でビールを飲んで寛いでいる写真
 2)
 高速船である事から航海中は強風に為左右の船縁には出られません、外に出られるのは後部デッキの一部のみです。昨年までは、後部デッキ端のデッキチィアーで丸一日過ごすのが楽しみでした。

 乗船と共に甲板上に設置してあるデッキチィアーを良い位置に構え、そこで30時間を過ごします。陸上と違い「蝿や蚊」がいませんから、潮風に吹かれながら星空の下で眠る事ができるのです。目を閉じれば目蓋まで一ミリ、目を開けば恒星まで150光年という夢と現実の狭間をうとうとしつつ、やがて漆黒の闇が群青色に染まり、星が一つ一つ去っていき朝焼けと共に水平線の彼方から太陽が昇ってきます。

 右舷から上がった太陽型日時計は刻一刻と時を刻み、寝坊な旅人を強力に直射して起こそうとします。そのたびに、石の裏に生息する虫のように、日陰へともぞもぞと逃げて、しぶとくまどろみ続けます。

 いよいよ暑くて辛抱たまらなくなった頃を見計らったように、後部甲板でオープンするビアホールの売店まで10メートル歩いて生ビールをゲット、太陽に乾杯します。
海峡横断フェリーの甲板から見上げる明石海峡大橋の写真
3)
 日の出と共に由良川沿いの国道175号を南下して明石を目指します明石市内に入り、フェリー埠頭へは看板見て行けば行けるだろうと、案内看板を探すも、一向に「明石海峡横断フェリー」や「淡路島航路」など具体的な看板が無く、替わりに「タコフェリー」という看板が出ています。

 ・・・おそらくそういうことだろう・・・と「タコフェリー」看板に従っていくとこじんまりとしたフェリーターミナルに到着しました。原付バイクの兄ちゃん達の列に並べてバイクを停めターミナル内に入ると水槽に明石のタコを飼っていました。明石のタコをマスコットにして「タコフェリー」という愛称をつけて営業しています。

 明石海峡大橋が出来てもフェリーは地域に根差している姿をみてほっとしたような、安心したような、効率を追い求めるだけがすべてじゃないよなっと、水槽の壷に潜むタコを見ると、なんとなく迷惑そうな目をしているように見えた。
発砲スチロールの器に入れられた出し汁に浸かった6個の明石焼きの写真
4)
 そこの食堂件喫茶コーナーのメニューにある「明石焼き」たこ焼きをだしでいただきます。船内持込にしてもらうも、フェリーの待合時間が迫り、船が入港してきてこっちがあせり出しても、店のおかんはどっしり構えて、きっちり乗船時間に合わせて明かし焼きを作ってくれました。

 あきらかに観光客である自分にたいしても、商売に対する姿勢はしっかりしているように見えます。フェリーの甲板で夏休みではしゃぐ子供達の傍らで「本場の明石焼き」をいただきます。おだやかな味に包まれたタコの弾力が印象に残る一品でした。
四角いざるにはみ出す程盛られた旨そうなうどんとおでんの写真
5)
 淡路島を西海岸沿いに縦断して、大鳴門橋渡って四国入りします。丁度昼時、讃岐うどんを求めて一路さぬき市へ、牟礼で製麺所を見つけて入りました。

大盛うどんとおでんをもらいます。このあとさらにもうひと玉追加して、腹割れそうになります。うどんを喉で味わう技を習得してからは、なかなか良いタイム出しますよ。300円あればお腹一杯になれる幸せが常に有るって良いですね、
よさこいの垂れ幕の下がったアーケード商店街の中でよさこい踊りをする若者集団の写真
6)
 高知市の「よさこい祭り」です。昭和の中ごろ、商店街の活性化の為にと始めたよさこい鳴子踊りも、紆余曲折をへて現在の形になったのだよと、地元商店の店主、しかしよさこい期間中は人ではあるものの、店の売上げはさっぱり上がらないのさ、皆店に尻を向けて踊りを見てるだけだからね、と、靴屋店主談、

 始めた当初はルールや取り決めは何もないので、トラブル続出で存続の危機すらあったとか、子供の頃学校で鳴子踊りをしていた子供達が、父親母親になり、その子供達が今、強力な音響設備を搭載したトラックを先頭に統一された踊りを披露している。世代を重ねる事で地域に根差している祭りとの印象です。
高知市繁華街「高知55番街」アーケード小路の写真
7)
 日中、土佐湾にそそぐ仁淀川の河口付近で湾岸道路の駐車帯にバイクを停めて防波堤に座り地図を眺めていると、横に軽自動車が停まり、出てきた若い娘が防波堤に膝小僧を抱えて体育座りをしている。その距離7〜8メートル。平行に海を見ながら、ちらちら気にしながら空気を読みつつ地図を眺めつつしばらくして声を掛けた、

 地図を見ながら近場の温泉について聞いてみた。わりと近くに温泉があるとの事で、その温泉の割引券を持っているはずだと財布の中やバッグの中を捜してくれている。・・・海を見ながら少し話しをした。

 よさこいについて聞いてみた。鳴子踊りは小学生の頃から踊っていて大好きだけど観には行かないという、行くと知り合いが皆踊っていて自分も踊りたくなるからだと、彼女の会社ではよさこいは禁止されているらしい、練習に時間をとられて本業がおろそかになってしまうからという理由らしい。・・・

 目的の温泉付近まで一緒に走って「ここだよ」と車内から合図をくれた、別れ際手を振ると会釈して去っていった。車でぶらっと出かけるのが好きだという土佐弁を使いコロコロ笑う小柄な娘だった。
お客の集う夜の屋台の写真
8)
 屋台です。正式に営業許可を受けて屋台営業できているのは、ここ高知と博多だけになってしまったという話です。役所側としては許可したくないというのが本音らしい、衛生的ではないとか景観を損ねるとかいろいろ理由をつけて排除したがっているとの事、

 人は生き物で以上、糞もたれれば鼻水も垂らすわけで、綺麗な部分もそうでない部分もあり、良い事もすれば悪い事もするわけで、計算で計り切れない部分があって当たり前のはず、理想を唱え建て前で塗り固めようとしても出来ないように思えます。
屋台のカウンターに並んだラーメンとビンビールの写真
9)
 ビールを飲んでラーメンを戴く、暑い夜にビールが染みます。素朴な味わいが嬉しいラーメンです。昨今札幌でも、スープに凝っていろんな作業をして濃い味付けのラーメン店が流行っていますが、個人の好みとして、シンプルなものを好みます。濃い味で好きなのは室蘭市の大王という店の「カレーラーメン」というのが旨いと思います。
屋台のカウンターに並ぶ焼きたての餃子とビンビールの写真
10)
 お勧めの餃子はビールがはかどる旨さです。入れ替わりお客が途切れる事はありません。そんな話を聞くともなしにBGMに屋台の時間が流れていきます。屋台の客は北海道からバイクで旅をしていると聞くとうらやましがって、いろいろ話をしてきます。屋台の中で北海道の話と、高知の話が混じり合いつつ、のんびりと「よさこい」の夜はふけていきます。
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