旅を終えて思う事・・・
「がんばれ難病患者日本一周激励マラソン」は、たくさんの人たちの善意によって開催されました。マラソン隊は激励するために日本一周走り繋ぐのですが、逆に行く先々でたくさんの人達の善意を受け激励に支えられて旅を続けたのです。 
マラソン本隊スタッフとして準備段階から関わり、たくさんの出会いを通して感化されてしまいました。「誰かが・・・」などという考え方から、 「自ら・・・」という考え方に変更しました。
一人の力は小さくても、その小さな力を出す事から初めなければ何も始まらない。
日本中で見て聞いて感じた事を伝えるために、わたしの小さな力でインターネット上に部屋を作って公開していきます。この先テレビのように広く一人一人にまでネット通信の普及が進み、難病患者さん自らが普通にネット通信を出来るようになるとき、日本中にあなたを応援する気持をもった人達がたくさんいるという事を知るチャンスを残すために。
激励する気持ち
「一般常識」で量り知れない苦悩をかかえる人にたいして、その苦悩を知らない人が「がんばって下さい」と、口から言葉を出したとしても、「知らない人に何がわかるの?」と言われてしまえばそれまでのことです、
一般常識の単位では量れないような苦悩ほど、表面に出て来られずに個人の中に潜行し、周りに理解されないまま一人で内側に痛みを蓄積してさらに潜行してしまう。
なぜ辛いのか、なぜ苦しいのか、それについて何の知識も無い人に、いちいち解るように説明すること自体に疲れてしまい、たまに返ってくるとんちんかんな答えに腹など立てつつ、他人の無意識な言葉によって傷つき、ついには自分の周りに見えない壁を立ててしまう、
転んだ事があるから、その痛みも解るから、転ばぬようにと手を差し伸べる。打ち付けて痛いところをさすってやろうとする。転び方も痛みも、種類も何もかもが違っても辛い状況を思いやる気持は、なんらかの痛みを知った心から発せられるものではないかと思います。
同じ苦悩を抱えるもの同士が励ましあう事が最善である事は、病気の数だけ患者会が有る事からも間違いの無い事です。そこでの励ましの言葉の力が100%だとすると、知らない人が応援する言葉の力など、1%に満たないかもしれません。が、しかし、その小さな「応援する気持」は、日本全国に溢れています。
私は見てきました、患者さんが使っていたヘアピンを胸に着けて走ってくれた姿を、すでに亡くなられた方の思いをもって伴走走された方を、明日をも知れない不治の病の病床で、応援メッセージを下さった方の”まばたき”を、お小遣いを握りしめて追いかけてきてくれた子供達の笑顔を、仕事を休んではるばる駆けつけてくれた人々の姿を、
健康な人も、そうでない人も、一見健康でも実はそうでない人も、応援する気持を感じ取って欲しいのです。そして応援する側に加勢して下さい。人の心の傷や痛みは、同じく人の心によって修復されるという法則が解りました。
ハンディを持った人も持たない人も、ネットの上では皆対等です。今回判った事に、患者さんの縦の情報ネットワークも、横の連帯もあまり強くないという事が有ります。孤立している患者さんがたくさんいるという事も判りました。将来、同じ苦悩を抱える人達が地域を越えたコミュニケーションをとるための橋渡しを出来る場所になれるようにしていきたいという考えも有ります。これから手探りでいろいろやってみながら進めていく事になると思います。
「がんばれ難病患者日本一周激励マラソン」を一過性のもので終わらせてしまわないために今回いただいた、たくさんの応援する気持は、これから先もずっと伝え続けていきます。「気持」も「デジタルデータ」も永久に風化しません
種あかしをすると実は、原動力になっているのは使命感などという高級なものではないんです。かつての自分が辛い時期に助けられた事を今返しているだけだったりします。痛い思いをしてみて初めて解る事、失敗をしてみて初めてわかる事、なくしてみて初めて解る事、等など、反省を織り交ぜながら・・・無くしてしまわなかった命と、支えてくださった方々に感謝しつつ一歩一歩進みます。
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